現在日本では、日本銀行のマイナス金利政策の継続の影響で、住宅ローン金利は過去最低金利レベルで推移しています。

例えば2019年8月には、固定金利の代表である「フラット35」も金利が下がり、過去最低レベルになりました。

「フラット35」の金利は2019年6月〜8月の3カ月連続で低下し、8月は1.17%になりました。以前に「フラット35」の金利が一番低かった2016年8月の0.9%を下回り、過去最低を更新しました。2018年12月には1.41%でしたから、たった7カ月間で0.24%も下がった計算です。0.24%という数字は小さく感じますが、総返済額には大きな差が出てきます。0.24%変わると、総返済額は数百万円レベルで低くなります。総返済額を考えると金利低下のメリットはとても大きく、1%以下でも侮れません。

このように固定金利が下がっている一方、変動金利にはほとんど変化がありません。2019年8月の大手都市銀行の変動金利は0.525%程度(ネット申し込み・最優遇金利の場合)でした。

これほどまでに固定金利が下がっていると当然、固定金利を選ぶ人も増えてきてはいますが、変動金利の低さはまだまだ魅力的です。そこで迷ってしまう場合、固定金利と変動金利を組み合わせるミックスローンという方法もあります。考え方はシンプルです。例えば、7000万円の住宅ローンを組む場合、3500万円を固定金利で、3500万円を変動金利で借りるということです。7000万円総額を変動金利で借りた場合よりも、低金利のメリットは少なくなりますが、金利上昇時のリスクも抑えられるというわけです。

ミックスローンを利用する場合には原則として、同じ金融機関の商品の中から固定金利と変動金利を選択しなければなりません。日本の大半の金融機関が、抵当権の設定順位の関係で、他社のローンと一緒には融資をしない方針のためです。

この低金利により住宅ローンは借りやすくなっており、ファミリー世代を中心に住宅購入者が増えています。今後の展望としても、ドラスティックな金利上昇の可能性は非常に少なくなっており、住宅ローンはこのまま過去最低レベルでの推移が継続する見通しです。とはいえど、住宅を購入する際の住宅ローンの金利が実際にどうなるかは当然、ケースバイケースであり、世間が低金利だからといっても、審査を受けるまでは油断は禁物です。